【パール】淡水パールの安さの秘密
毎日ブログを更新している(ほぼ毎日)私、
本業はパールの先生をしている真珠屋さんです。
でも真珠のお話は少ないですね…。
今回は“パールまめちしき”として
「淡水パールの安さの秘密」をお話します。
淡水パールの方が海水パールよりも安い(※)ですが、
それはズバリ、
圧倒的な生産量の違いが理由の一つです。
それでは、詳しくお話していきます!
1.淡水パールとは
「淡水パール」は、
名前の通り、淡水で育つ貝がつくってくれるパールのことです。
真珠の種類の一つですね。
ヒレイケチョウガイという貝を中心に、
川や湖で育てられています。
主な生産国は、中国、アメリカです。
2.海水パール?
それに対して、
海水で育つ貝がつくってくれるパールがあります。
海水のパールは「海水パール」と呼ばずに、
それぞれの貝の種類によって名前が付けられています。
例えば、
- あこや真珠…アコヤ貝
- 黒蝶真珠…黒蝶貝
- 白蝶真珠…白蝶貝
- コンクパール…コンク貝
- マベパール…マベ貝
など。
“パール”を“真珠”という呼び方に変えてもOK。またその反対も然り。
大きく分けると、
淡水貝がつくってくれるパール
海水貝がつくってくれるパール
この2つに分けられます。
3.真珠の価格
真珠やパールと呼ばれる製品には、
さまざまなものがあり、
価格の幅もすごく大きい。
買う方にとっては、
「この差ってなんなの〜?」
「一体どれを選べば正解なの〜?」
「大手ブランドで購入しておけば間違いないの〜?」
…などと多くの疑問の声があるかと思います。
私自身も、友人やパール講座を受けてくださった方からそういう声を度々お聞きしてきました。
①生産量の違い
淡水パールの方が海水パールよりも安い(※)ですが、
圧倒的な生産量の違いが理由の一つです。
グラフのように、9割以上が淡水のパールなのです。
このお話をパール講座でもするのですが、
驚かれることが多いです。
②需要と供給
安い理由のもう一つは、
需要と供給の関係です。
淡水パールの生産量以上に需要、
つまり欲しい人がたくさんいたとしたら、
淡水パールの価格も上がりますが、
そうではなく、
今は供給、つまり生産量の方が多い状況のため、
価格が低く抑えられています。
価格が高い淡水パール
文中に脚注をつけましたが、
淡水パールは全てが安いわけではなく、
比較的価格が高いものもあります。
淡水パールは昔から核(※)のないパールを生産することが主流でしたが、
近年では核を使った真円パールの技術が進み、
淡水パールの連のネックレスは
品質の高いものだと
一般的な淡水パール以上のいいお値段がついています。
※「核」についてはこちらで簡単に説明しております▼
このように淡水パールは安いとはいえ、例外もあるんですね。
また、昨年の仕入れ時は、淡水パールの価格が倍ほどに上がっていました。
それは比較的テリの良い円形の淡水パールの人気が高まり、つまり需要が高まったことで価格が上がりました。
その前には、ベビーパールが流行って価格が上がるなど、
流行りによってパールの価格も変化します。
以上、淡水パールの安さの秘密でした!
文章をつくっていると
あれもこれもお話ししたくなりますね。
対面式のパール講座を開いています。
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真珠が欲しいな〜とお考えの方にも役に立つ内容になっております。
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それでは!
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