緊急事態宣言が出た東京からブログ更新です。皆様いかがお過ごしでしょうか?
ウイルスの“型”という言葉をインフルエンザの時も、コロナの時も聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回はウイルスの簡単な構造の話から、ワクチンのことまで触れようと思います。
理解できると、感染症についてより理解が深まり、コロナウイルスとどの様に付き合っていくことになるのか、専門家の意見が理解しやすくなって、可能性を考えやすくなると思います。
- ウイルスの構造について
- ウイルスの型ってなに?型が変化するってどういうこと?
- 身体が持っている免疫の仕組み
- ワクチンの仕組み
- 最後に
1.ウイルスの構造について
ノロウイルス、インフルエンザウイルス、それからコロナウイルスなどの“ウイルス”という生物はどんな作りをしているでしょうか?
人間は、たくさんの細胞でできています。たくさんの細胞が、「組織」と呼ばれるグループみたいなものの役割に合うように形を変えて、私たちの身体をつくっています。
例えば、神経組織(脳、骨髄、運動神経など)、消化器系組織(胃、腸)、とかね。
そしてその細胞は、毎日毎日、新しい細胞と古い細胞が入れ替わっています。
新しい細胞はどこから来るか?というと、細胞がコピーをつくって、コピーがコピーをつくって、コピーのコピーがコピーをつくって……
という風にして私たちの身体は自分で細胞を増やして、入れ替えて、保っています。
細胞の一つ一つは「核(かく)」があって、その核の中に遺伝子情報を持ったDNAがあります。
…もっと説明したいところですが、本ができちゃいそうなので、人の体のことはここまで。
ウイルスは、遺伝子情報を持ったRNA、それを取り囲むタンパク質でできた枠(殻と膜)でできています。
なので、ウイルスはすごく単純な構図をしているんですね。そして、ウイルスは自分自身のコピーを作ることによって、子孫を残すという生き方をしています。
DNAとRNAってどういう違いがあるの?と思った方もいるかもしれませんが、説明すると、科学の教科書ができちゃうので省略…m(_ _)m
簡単ですが、ウイルスの構造は以上。次に行っちゃいましょう!
2.ウイルスの型ってなに?型が変化するってどういうこと?
同じ名前のウイルスでも、ウイルスのタンパク質の構造などの若干の違いによって、いくつかの型を持っています。
インフルエンザを例にあげると、A型、B型、C型とありますね。
ウイルスは、単純な構造をしているだけに、変化しやすい生き物です。
なので、増殖するときに、全く同じコピーを作るのではなく、A,B,C型それぞれ、若干の構造の変化、マイナーチェンジを繰り返しています。
このマイナーチェンジは何のためにあるか?というと…
生き物の第一の目的は子孫を残す、ということです。ウイルスの場合、全く同じコピーをしているだでは、すぐにその生物は滅亡してしまいます。
例えば、地球の温度が少し上がったとする。その環境の下では生き残れないウイルスだとすると、全く同じコピーをしていれば、全滅ですよね。
でもコピーのときに、ちょっとずつちがうコピーをつくっておくと、ある個体は温度変化に強く、生き残り、他が死んでしまっても、ウイルスの子孫を残していくことができるんですね。
子孫を残すため、ウイルスはマイナーチェンジを繰り返しているんですね。
まだ分かりにくいですね。ここで、車のレクサスを例にさせてもらうと…
(ウイルスの例えに使ってしまって申し訳ないですが…)
同じ「レクサス」と呼ばれる車種の中にも、
セダン型、ハイバック型、SUV型、などと型がいくつかありますね。
そしてセダン型の中にも数種類あり、さらに数年に一度などのペースで、マイナーチェンジをしています。
ウイルスもそんな感じで、型があり、マイナーチェンジを繰り返しているのです。
これで少し、イメージがつきやすくなったかな?
3.身体が持っている免疫の仕組み
「免疫力をつけよう!」とよく言われますね。免疫とは、身体が持っている病気に打ち勝つ仕組みのことです。
その仕組みを担っているのは、血液中の白血球です。
身体に入り込んだウイルスに対して、白血球が “なんか知らん奴が入ってきたぞ、異物だ” と認識し、ウイルスと戦います。
白血球と一口に言っても、いくつか種類があって、それぞれに戦い方がちがいます。
白血球を戦士に例えると、弓使いの戦士、盾使いの戦士、鉄砲使いの戦士、という感じで。
一つは、ウイルスをとにかく食べちゃう戦士。
もう一つは、ウイルス自体を攻撃して破壊する戦士。
そして3つ目は、ウイルスの型に合わせて戦士をつくる戦士。
大きく分けてこの3種類の戦士たちが戦ってくれています。
ワクチンを打って、「免疫ができた」と人々がいうときは、3つ目の戦士、「ウイルスの型に合わせて戦士をつくる戦士」ができたよ〜ということを指しているのでしょう。
抗体ができた、と言った方がより正確な表現かもしれません。
ウイルスの型に合わせてつくられた戦士(=抗体・こうたい)は、かなり強くて、相手の弱みを握っているようなものですから、攻撃力が高い。でも、戦士を新たに作らないといけないので、時間がかかってしまいます。即戦力にならないのが、デメリット。
また、特定のウイルスの型に合わせているので、他のウイルスとは戦えないのです。
3つ目の戦士について詳しく話しましょう。
3つ目の戦士は、「とにかく食べちゃう戦士」のいわば“食べかす”を受け取り、ウイルスの型を記憶して、それに合った戦士、「抗体」をつくっていきます。
一度つくられたは抗体は、その後、同じウイルスが再び入ってきたときには、即戦力となり、身体に症状が出る前にウイルスを撃退してくれるという、とても心強い存在となるのです。(獲得免疫という)
すごいね!
4.ワクチンの仕組み
ワクチンとは、力を弱めた(または死滅させた)ウイルスを身体の中に取り込み、意図的に「ウイルスの型に合わせた戦士=抗体」をつくらせる、という目的のものです。
つまり、わざと身体に免疫反応を起こさせて、獲得免疫をつくり、もしウイルスが身体に入ってきたとしても、症状が出ないようにする、という役割があります。
インフルエンザワクチンの例を考えてみると、
インフルエンザには3つの型がありますが、ウイルスはマイナーチェンジを繰り返していますから、その年に流行りそうな型に対応したワクチンが、毎年毎年つくり変えられて、皆さんへと提供されています。
それを打つと、身体にインフルエンザウイルスへの抗体ができ、いざ、ウイルスが身体の中に入ってきたとしても、抗体がすぐにウイルスと戦ってやっつけてくれるので、症状が出ない、ということなんです。
時々、「ワクチンを打ったのにインフルエンザに罹っちゃった」という人がいますが、それは、抗体がうまく獲得できていなかったか、流行するインフルエンザの型が外れたか、という可能性があるんですね。
5.最後に
分かりにくいところも多々あったかもしれません。すみません。
新型コロナウイルスは、つまり新しい型のコロナウイルスなので、専門家たちが、今、正に新しいウイルスについて研究や対応を模索しているところなんだと思います。
新型コロナウイルスのことで、私自身がなぜ〜?と強く疑問に思っている点は、一度罹った人がまた罹る、ということ。
上記にもあるように、通常は一度罹ると、抗体ができるはずなのです。でも、再罹患している人がいる。相当早いターンでマイナーチェンジをしているのか…?今後の研究や専門家の意見に注目したいところです。
毎日、テレビでコロナのことがやっているのに、感染症についてとかウイルスについてとか、基本となる知識についての内容がないですね。最新の情報も大事なんだけど、この際、知識になる内容もやって、みんなで賢くなって、考え合おうよ、と思ったりもして。
スーパーに行っても、社会的距離を意識し合って、知らない人同士だけど、なんだかギクシャクした感じを受けてしまったり、マスクを着けているから表情が読めなくてノンバーバルなコミュニケーションも取れなかったり…。ひきこもることだけじゃなくて、全く知らない人同士の間にもストレスが生じていないかな?
毎日、引きこもっていますが、ランニングを細々とやっています。
考えることはみんな一緒なのか、朝のランナーやウォーキングの人、ラジオ体操の人が増えましたね。
ランニングのときは、道端のお花に癒されています。そして、天気のいい日の景色にも。
植物も太陽もいつも通り、言葉を持たずに、社会に左右されずに存在する。季節が来ると咲いて、散って、葉を落として、を繰り返す。それを思うと妙に心が鎮まる。
とりあえず、ランニングがんばろう。夏はコロナがあっても来てしまう。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
それではまた!