今週のお題「好きな街」
学生の頃、
東京は小金井市に位置する「武蔵小金井」という駅の近くに住んでいました。
大学生の頃から4年間住みました。
初めて親元を離れた暮らしを経験した場所でした。
武蔵小金井に住んで1年目のある夏の日、
駅前の商店街では、道路を通行止めにして『阿波踊り祭り』が開催されていました。
阿波踊りというと、東京では高円寺が有名ですが、
たまたま見た阿波踊りの太鼓の音や笛の音、
それに合わせて、
着物や甚兵衛を着て、楽しそうに踊る人たち。
見ているだけで、
私自身もすごく楽しくなりました。
身体にひびく和太鼓の音や振動が、
ずっと忘れられない感覚でした。
なんと、その靴屋のおじさんは、
武蔵小金井にある阿波踊りの連(グループ)の一員なのだということが分りました。
お祭りを見た後から、阿波踊りにすごく興味を持っていた私。
見学においでよ、
と靴屋のおじさんに声をかけられると、
「はい!」とふたつ返事で阿波踊りの練習を見に行くことに決まりました。
練習を見学させてもらい、
温かく連のメンバーに迎えられ、
迷うことなく連に入ることに決めました。
阿波踊りは、
着物と底の高い下駄を装って踊る「女おどり」と
甚兵衛を来て低い姿勢で踊る「男おどり」がありますが、
私は女おどりに配属されました。
着物のサイズを合わせて連から借り、
頭にかぶる笠(かさ)や下駄、足袋などなどを買い揃えました。
着物の着方、帯の締め方も教わり、
練習をはじめた年からお祭りに出させてもらいました。
見ているもの楽しかったですが、
出てみるともっと楽しい。
住んでいる地域の知り合いもたくさんできて
武蔵小金井ライフは
阿波踊りのおかげで充実したものになりました。
高円寺のお祭りにも、
そして本場の徳島のお祭りにも出させてもらいました。
徳島の阿波踊り祭は、
規模が大きくて街全体が阿波踊り一色になる。
熱気と活気に溢れた数日間。
あの体験は忘れられません。
武蔵小金井から引っ越すことをきっかけに
連を辞退。
今となっても着物を着るときには、
阿波踊りをやっていたお陰で
なんとか自分で着ることができています。
浴衣を着るときにも
”あのとき教わったなぁ”と
じんわりお世話になった方々のことを思い出して
有難い気持ちになっています。
あっという間に2022年も5月。
あと少しすれば、暑くなってきますね。
今年もお祭りは開催されないのかもしれませんが
浴衣を着る機会が何かあるといいなぁ、
と思います。
それでは!